活動紹介

令和7年度 日本PTA国内研修事業 実施報告
~全国に広がる友達の輪と、確かな成長の4日間~

1. はじめに:事業の目的と実施の背景

 公益社団法人日本PTA全国協議会が主催する「国内研修事業」は、次代を担う中学生が全国から集い、共同生活や多彩なプログラムを通じて豊かな人間性を育み、広い視野を養うことを目的としています。
 令和7年度の事業については、令和7年10月1日付で参加募集が開始されました。岩手県PTA連合会では、県内すべての公立中学校および単位PTAを通じて周知を行い、その結果、志の高い6名の生徒から推薦をいただきました。当連合会役員による厳正なる抽選を経て、岩手県代表として2名の参加者を決定し、全国の舞台へと送り出しました。
 全国から集まった74名の仲間たちとの交流を通じ、岩手の子どもたちが大きく羽ばたいた4日間の軌跡をご報告いたします。

2. 岩手県代表参加者の紹介

岩手を代表して、以下の2名がこの貴重な研修に挑戦しました。

須藤 理玖さん
一関市立花泉中学校2年
長瀨 結さん
滝沢市立滝沢南中学校2年

3. 研修プログラムの概要

 令和8年3月25日から28日までの4日間、国立オリンピック記念青少年総合センターを拠点に、知的好奇心と冒険心を刺激する充実した行程が組まれました。

第1日目(3月25日)

開校式
全国の仲間との対面
ウエルカムパーティ
交流の第一歩

第2日目(3月26日)

YCAP(体験型プログラム)
チームワークを学ぶ
「レイの失踪」(教育プログラム)
現代の社会問題を考える
ウォークラリー・ミーティング
翌日の自由行動に向けた作戦会議

第3日目(3月27日)

国会議事堂の見学
日本の政治の中枢を体感
都内ウォークラリー(班別自由行動)
仲間と協力して大都会を移動
さよならパーティー(加賀谷 克美 氏による講演他)
夢を持つ大切さを学ぶ
プロジェクションマッピング見学
最新の映像文化に触れる

第4日目(3月28日)

閉校式
4日間の絆を胸に、それぞれの地へ

 刺激と学びに満ちたこの4日間は、参加した生徒たちの心に生涯消えることのない火を灯しました。以下に、研修の中でも特に印象的だったプログラムの内容を解説します。

4. 知っておきたい研修用語解説

 一般の方には少し聞き馴染みのない用語について、その具体的な内容をご紹介します。
 YCAP (Youth Center Adventure Program) 野外体験型の教育プログラムを源流にアメリカで開発された「プロジェクトアドベンチャー」をベースとした体験型研修です。単なる運動ではなく、仲間との信頼関係の構築や、健全なリスクへの挑戦(プロジェクトアドベンチャー)を通じて、一人では解決できない課題を協力して乗り越える力を育みます。
 「レイの失踪」 失踪した友人「レイ」のSNSを探索していく体験型のゲーム形式プログラムです。遊びの要素を取り入れながら、近年社会問題となっている「闇バイト」の実態やSNSの危うさを学び、自分を守るための判断力を養います。

5. 【特集】参加生徒の体験記:心に残った出会いと学び

 研修を終え、一回り逞しくなって帰ってきた2名の感想をご紹介します。それぞれの視点で綴られた言葉からは、瑞々しい感性と、岩手では得られない貴重な体験の重みが伝わってきます。

須藤 理玖さんの感想

(自分の興味に没頭していた自分から、他者と協働する喜びを知り、広い視野で未来を見つめ直した須藤さんの体験記です)

 今回の日本PTA国内研修事業では、沢山の事を学ぶことが出来た。
初日の出発時は、これから会う人たちとの出会いや楽しみの気持ちの方が大きかったからか、あまり緊張せずにいられた。いざ会場に到着すると事務局の方々含めみんなとてもフレンドリーで話しやすく、更に期待が大きくなって行った。その後アイスブレイクで、班の人と甘党・辛党や犬派・猫派など共通点を見つけるため様々な角度から質問し合うことで互いを更に理解し合い、距離を縮めることができた。
 2日目の「YCAP」では、出された課題に向かってグループで一つ一つ取り組んだ。個々で解決しようとして達成できない問題も、グループ全員が課題の本質を理解し、協力することで、あっという間に解決できた事は大きな達成感があった。置かれている状況に対して他人事ではなく、しっかり自分の意見を持ちながら他者の意見も聞いて取り組むことの大切さを感じた。
 3日目は、都内ウォークラリーで私たちの班は、みんなで話し合って決めた法務省旧本館、浅草寺、東京駅に行った。自分達だけでの都内の電車移動は、何番線からの乗車かが分からず焦ったり、戸惑ったりしたが、駅員さんに聞くなどし、無事電車に乗ることができた。都庁では、加賀谷さんから夢についての講演を聞いて、諦めたらそこで終わってしまうこと、ただし、挑戦し続ければ成功のチャンスが自分にもあるということが分かった。
 4日目の閉講式では、74人のメンバーとこんなに深く共感したり、達成感を味わえた嬉しさ、楽しかった思い出がこみ上げてきた。この研修に参加する前の私は、自分の興味のある事だけをする人間だった。しかし、この研修を終えて、私はこれから生きていく上で心に火を灯す目標を見つけたい。その目標達成のために、自分にとって必要な事が何なのか考えて、もし相手が存在する事だったら相手の事を理解しながら、広い視野で進んでいくことが大切だと思えるようになった。このような新しい考え方を自分に教えてくれた仲間、スタッフの皆さんへの感謝の気持ちを胸に、これから過ごしていきたいと考えている。ありがとうございました。

長瀨 結さんの感想

(都会への不安を乗り越え、親の助けがない環境で「自分たちはやれる」という確かな自立心を育んだ長瀨さんの体験記です)

 国内研修に参加して私はたくさんの思い出と大好きな友達ができた。
 1日目、東京駅に着いた時から人や雰囲気に田舎者はやられそうだった。その日の東京は雨でついに天気さえも私の味方をしてくれない気がして半分泣いた。しかし、研修施設に行くバスで隠し持っていたお喋りを発揮したら不安な気持ちとは裏腹に嘘みたいに友達ができた。無事活動班のメンバーにも恵まれ幸先のいいスタートを切った。久しぶりに新しく友達を作る体験ができてとても嬉しかった。
 2日目は活動班のみんなと協力して闇バイトの謎を解決したりどんな人が狙われてどんな人が狙われにくいのかを学んだ。午後には他の班の人達と体を動かして相手のことをよく知る機会となり友情を広げることができた。
 3日目は一昨日出会ったばかりの仲間と東京の街に出た。千代田線で行くつもりが突如山手線で30分電車に揺られ、時間があると隙を見せていたら最後の集合場所にギリギリ3分前に着くなど見事な計画性のなさを痛感させられた。だけどとても楽しくて一日中ずっと笑って過ごした。計画通りに行かないことも多々あったけど親や大人の同行無しに自分たちはここまでやれるんだ!と自分たちの成長を感じることができた。
 日数だけみると短くて満足できるのかと思っていたけれど内容一つ一つが濃くてとても長く感じた4日間だった。最終日には友達との別れが惜しく涙した。どんどん離れていくみんなを見て心にぽっかり穴が開いたような感覚が家に帰ってからも続いたけれど私はこう思えるのがとても嬉しい。なぜならたった4日間一緒に過ごしただけで今では会いたくてたまらない宝物になったから。 国内研修事業を実施するにあたって私たちの為にたくさん動いてくれていた日Pの方々本当に感謝しています。このような研修に参加できて自分の居場所そして仲間の大切さなどが再確認できました。4日間ありがとうございました。またいつかお会いできることを楽しみにしています。

6. 事務局より:次年度への案内

 お二人の感想を読み、私たち事務局も胸が熱くなる思いです。当初の「都会への不安」を「自立への自信」へと塗り替えた長瀨さんの勇気。そして「個人の興味」から「社会や仲間への貢献」へと視座を広げた須藤さんの成長。岩手という枠を飛び出し、全国の仲間と切磋琢磨した経験は、彼らにとって何物にも代えがたい財産となったはずです。
 日本PTA全国協議会では、令和8年度も本事業への参加者を募集する予定です。 募集に関する案内は、例年通り県内の中学校および各単位PTAを通じて行われます。
 「自分を変えてみたい」「全国に一生の友だちを作りたい」という意欲あふれる中学生の皆さんの応募を、心よりお待ちしております。。
 この貴重な経験が、次なる参加者の皆さんの未来を明るく照らす一助となることを願っています。